大和国一宮・三輪明神 大神神社

酒の神様としるしの杉玉

 当神社の御祭神である大物主大神と少彦名神は酒造りの神様として古くから信仰され、また境内には杜氏の祖神である髙橋活日命(たかはしのいくひのみこと)をお祀りする活日神社もあります。
 また三輪山麓に山の神遺跡という祭祀遺跡がありますが、そこから発掘されたミニチュア土器が酒の神を祀る祭儀に用いられたと推定され、考古学的な見地からも酒造り神様のご神威を裏付けるものとなっています。
 そして古代、「うまさけ」は三輪にかかる枕詞で三輪は大神の守護により美酒、奇しき酒の出来る所という風土があったのでしょう。
 やがて中世から近世にかけて、大物主大神のご神威が宿る杉の葉を束ねて酒屋の軒先に吊す風習が生まれます。「酒箒(さかぼうき)」や「酒ばやし」と呼ばれた、この杉葉の束が酒屋のシンボル「杉玉」の原型とされます。
 現在も神社で奉製した「しるしの杉玉」が全国の酒造家に配られ、酒蔵や軒先に吊されます。また拝殿と祈祷殿の向拝(こうはい)には直径1.5m、重さ150kgにもなる大杉玉が吊されており、一年に一度、11月14日の醸造安全祈願祭(酒まつり)の前日に青々としたものに新調されます。

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